嫌われた監督

落合博満は中日をどう変えたのか

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読書家と言うほどではないが、本棚に空きスペースがなく、単行本はかろうじて1冊置ける程度の隙間しかない。この本を買うまでは、そこに「豊田章男」が置いてあり、その前は「小池百合子」が置いてあった。「嫌われた監督」を置く事になり、私も人並みに人間に興味があるのだなと気が付いた。歴史上の人物は、実物を知らないから作者はある程度、人物像を想像して描く。一方、現実に生きておられる方はメディアを通して読者なりに抱いている印象があるので、その印象を前提としながら肯定と否定の事実を書き連ねて読み物にする必要がある。この本は落合に近い人物12人のもがき苦しむ様子を通して落合の多面的な人物像を描いている。

日本ではスポーツの特等席である「野球」に関して神の領域に近い技術・知識を持ってしまった人間「落合博満」の幸・不幸とその「落合博満」に近づきすぎた事によって被った人間の苦悩と歓喜を描いた好著です。